フィッシャー・キング (1991) : The Fisher King

落ちぶれた元人気DJとホームレスの男が、その出会いにより互いの人生を変えてゆくことになる、都会のファンタジー。監督はテリー・ギリアム、脚本はリチャード・ラグラヴェネス、撮影はロジャー・プラット、音楽はジョージ・フェントンが担当。

監督:テリー・ギリアム
出演:ジェフ・ブリッジス、ロビン・ウィリアムズ、マーセデス・ルール、アマンダ・プラマー

フィッシャー・キング (1991)のストーリー

過激なトークが売りものの人気DJジャック・ルーカス(ジェフ・ブリッジス)は、幸福の頂点から失意のどん底に落とされた。孤独なリスナーが、「ヤッピーたちを殺せ!」というジャックの言葉を真に受けて、レストランで銃を乱射、7人の犠牲者を出して自らも死に、一躍ジャックの悪影響が報道されたからだ。3年後、落ちぶれたジャックは恋人アン(マーセデス・ルール)の経営する下町のビデオショップで、居候のような生活を送っていた。ある日、泥酔したジャックは暴漢たちに襲われ、危うい所をホームレスの奇妙な男に救われる。彼、ペリー(ロビン・ウィリアムズ)の寝ぐらになっているボイラー室の壁には中世の城と騎士、馬に乗る悪魔の〈赤い騎士〉が描かれていた。ペリーは聖杯を探しており、それはニューヨークの大富豪の邸宅にあると言う。そしてジャックこそがその聖杯探しの力になる人物だと興奮して言うのだ。間もなくジャックは、ペリーが昔、大学教授であり、レストランで食事中に銃の乱射により愛妻を殺された過去があることを知る。ペリーもまたジャックを失脚させたあの事件の犠牲者だったのだ。忌わしい罪の意識を思い起こしたジャックは、事件以来すっかり人が変わってしまったというペリーのために何かしてやりたいと考え、ペリーの憧れの女性、リディア・シンクレア(アマンダ・プラマー)との仲をとりもつことにする。何とか2人を引き会わせ、アンと4人で食事をするまでにこぎつけたジャック。ペリーの一途な気持ちに孤独なリディアも心を動かされた。だがその夜、ペリーの目の前に〈悪い騎士〉の悪夢が現れ、逃げるペリーをいつかの暴漢が再び襲う。そうとは知らないジャックは爽快感で一杯、仕事を再開することに。だが、ペリーの事故の知らせを受けて病院に向かうと、そこには包帯でぐるぐる巻きにされ、精神症が再発して空を見つめるだけのペリーの姿が。ペリーの回復のためには、あの聖杯を手に入れるしかないと、ジャックは富豪の屋敷に忍び込む。命からがら、聖杯を手にしたジャックはペリーのもとへ。聖杯を見つけた喜びにペリーは一気に回復、病中も看護を続けたリディアとの愛も叶えられる。やっと人間らしい心を取り戻したジャックは、ペリーとともにニョーヨークの夜空を見上げるのだった。

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