シークレット・ロード (2014) : Boulevard

名優ロビン・ウィリアムズが亡くなる直前の2014年に主演したヒューマンドラマ。堅実な人生に疑問を抱く初老男性が、謎めいた青年との出会いを通して本当の自分を取り戻していく姿を描く。監督はディート・モンティエル、脚本をダグラス・ソースビー、撮影をチョン・ジョンフン、音楽をデビット・ウィットマンが担当した。

監督:ディート・モンティエル
出演:ロビン・ウィリアムズ、キャシー・ベイカー、ロバート・アギーレ、ボブ・オデンカーク

シークレット・ロード (2014)のあらすじ

勤続26年目の銀行員ノーラン(ロビン・ウィリアムズ)は、妻ジョイ(キャシー・ベイカー)との関係も良好で、支店長への昇任の話も浮上している恵まれた男だ。年老いた父を施設に入れて介護しつつ、旧友の大学講師ウィンストン(ボブ・オデンカーク)と週に1度ランチを共にするなどして安定した日々を送っている。ある夜、自動車を運転していたノーランは、ダウンタウンの大通りで一人の若い男娼レオ(ロベルト・アギーレ)を轢きそうになる。こうしてレオと知り合ったノーランは、肉体関係を結ぶことは拒否したものの、やがてレオに特別な感情を抱くようになり、周囲に内緒で逢瀬を重ねていく。しかしレオにとっては、ノーランは会う度にお金をくれる「客」の域を出ない存在だった。

ある日、ノーランがレオとの食事を終えて自宅へ送り届けたところ、レオは男娼の元締めエディ(ジャイルズ・マッシー)から「客と会っていたなら儲けを寄こせ」といちゃもんを付けられ、ノーランの目の前で殴られる。ノーランは慌てて制止に入るも返り討ちに遭い、左目の下にあざが出来る。それは穏やかな人生を送ってきたノーランにとって、人生で初めて出来たあざであった。レオを取り巻く環境を危惧したノーランは、ウィンストンの恋人パティ(エレノア・ヘンドリックス)が経営するカフェでレオを働かせようとするが、レオは採用面接の約束をすっぽかしてしまう。レオの自宅を訪ねるも冷たくあしらわれたことで、ノーランはレオとはもう関わらないことを決意し、レオからかかってきた電話の着信も無視する。

しかし、ほどなくしてノーランの職場にレオが現れる。レオはエディから強要され、ノーランにお金をせびりに来たのだ。その場にエディが乱入して暴れたことで警察沙汰となり、ノーランは同僚らから怪訝な眼差しを送られるようになる。ノーランとレオの関係が周囲に発覚するのも時間の問題かと思われた。やがて昇進を左右する支局長夫妻との夕食会の日を迎えたノーランのもとに、救急病棟から一本の電話が入る。その内容とは「レオが薬物の過剰摂取で救急搬送された」というものだった。ノーランはジョイを一人きりで夕食会に向かわせる一方、自身は救急病棟に向かうが、そこにはもうレオの姿はなかった。結果として夕食会をすっぽかし、レオとも音信不通となったノーランは、ジョイに対してある決意を述べる。